■「熱があるよ、でも走るの?」−ちびっ子マラソン大会で感じたこと− (三浦義孝・みうら小児科医院/岩手県盛岡市)
- 東京マラソンや駅伝、メタボリック・シンドロームへの関心などから、市民マラソン大会が盛んに行われています。全国で開催されているちびっ子健康マラソン、その岩手県大会も例外ではありません。現在で第24回の開催となり、毎年2,600人と年々参加者が増加しています。この大会の本来の趣旨は、「速く走ることではなく、最後まであきらめずに走りぬくこと」ですが、「朝から熱があっても走らせる」、「喘息で苦しいのに走らせる」等、本人の健康状況を無視しての参加が多々あります。また、「平気で反則行為をけしかける親」、「大会中の禁煙を我慢できない親」等、加熱するあまり子ども以上にモラル・常識の欠如している大人の存在が目につきます。
中高年者に比べはるかに少ないとはいえ、若年者にも運動中の突然死は生じる可能性があります。自らの健康状況を確認し、無理のない体調で参加するよう、ちびっ子健康マラソンといえども、あなどらず、事故を未然に防ぎたいものです。スポーツドクターとして参加し、感じたことをお話します。