■新型インフルエンザの重症例の治療経験 (梅田陽先生・昭和大学横浜市北部病院 こどもセンター)
- 重症肺炎と心筋炎を合併した症例が入院後27時間で亡くなった。愕然とした。2例目の死亡例に病院も震撼した。多臓器不全の治療が後手に回ったら助けられない!私は診療科責任者会で「病院の総合力が問われています。このインフルエンザの嵐をこどもセンターが乗り切るためには、是非とも先生方のお力が必要です。」と頭を下げた。いろいろな科が重症インフルエンザ感染症のために動いてくれ、病院として機能した。出棺に間に合わなかった私は四十九日の翌日に焼香に上がらせてもらい、「君の死を無駄にはしないから、見ていて下さい。」と仏前で誓った。
♪事務局からのコメント
- 新型インフルエンザは確かに、比較的軽症の子が多かった・・・というのは、小児をみているどの医療機関でも共通の印象だと思います。しかし、ICUを持つような基幹病院には非常に重症の子どもたちが多かったことも事実。外来を専門にしている私たちは、今回の流行を振り返り、重症例の治療がどのようにされていたのか、耳を傾ける必要があると思います。