第38回東日本外来小児科研究会のご案内
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今回は、横浜市の上大岡で行います。
日時:平成29年11月12日(日)
会場:ウィリング横浜 12F 研修室
詳しいアクセスは、こちら にあります。
上大岡駅までは・・・
- 羽田空港から 京急線で約30分
品川から 京急線で約30分
新横浜から 横浜市営地下鉄で約30分
- 横浜から 京急線で約10分
参加費
- 事前登録 ¥2000 事前登録はこちらから (11月5日まで)
- 当日参加 ¥2500
- 職種による参加費の区分はありません。事前登録をしていただいて、当日キャンセルでも料金はかかりませんので、できるだけ事前登録をしてください。
昼食について
- お弁当のサービスはありませんが、隣接している駅ビルには飲食店、テイクアウトなどのお店がたくさんあります。お昼の時間帯にも会場を開放しますので、お弁当をお持ちいただいてもかまいません。
プログラム
受付開始 10:00
- 【特別講演1】10:15~11:15 川崎病の患者さんを救いたい~世界に先駆けた診断法と治療法の 開発~
- 東京医科歯科大学 森雅亮先生
- 川崎病における最大の問題点は、炎症により冠動脈病変(CAL:Coronary Artery Lesions)を後遺症として引き起こすことにあります。そのため、治療戦略で最も優先すべきはCALの発生前に、いかに早期に炎症を鎮静化するかに尽きます。これまでの治療のゴールデンスタンダードはIVIG療法であり、1980年代から急性期炎症の早期鎮静化ならびにCALの発現抑制に大きく貢献してきました。しかしながら初回IVIG療法では十分な効果が得られない患者も約17%存在し、さらにこのような患者の約4分の1ではCALを合併するとの報告もあり、臨床現場においては新たなオプションが長年求められてきました。このような環境の中、ヒト抗TNFα抗体製剤であるインフリキシマブが初回IVIG療法不応の川崎病患者を対象とした臨床開発試験を経て、2015年12月に「既存治療で効果不十分な下記疾患 川崎病の急性期」の効能・効果を世界に先駆けて取得しました。
本講演では、インフリキシマブの承認が川崎病急性期の治療に与えたインパクトと適正使用に向けた注意点、そして本剤のポテンシャルを引き出すための使用方法について過去の経験や各種エビデンスを、皆様に紹介します。
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- 【ハンズオンセミナー】11:20~12:20 小児アレルギーエデュケーターと一緒に学ぶ、基本のスキンケア-肌の健康を保つための、「洗い方」と「塗り方」を中心に-
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- つばきこどもクリニック 宮島 環 ・ 中野こどもクリニック 小林 敬 ・ さいわいこどもクリニック 塚本佐知子 共催:マルホ(株)
- (メディカルスタッフだけでなく医師も参加が可能です)
- ハンズオンセミナーは事前登録制です。10月28日で定員に達したので、登録を締め切りました。 (当日の人数にもよりますが、見学のみの方はできるだけ受け入れられるように準備しています)
- アトピー性皮膚炎や皮膚疾患(乾燥肌・湿疹など)と診断され、薬物治療を続けている方はもちろん、そうで(ない方も日常的に「手や顔・体を洗う(皮膚についた汗や汚れを落とす)事」「(洗う事で失われた)水分・油分を補う事」など、実践されている事と思います。但し、受診された保護者にお話を伺うと、「子どもが泣くので顔は洗わない(拭くだけ)」「保湿のために、1日に何度も軟膏を塗っています」等、お手入れの回数や方法は個々の家庭で様々です。こんな時、スキンケアに関して、保護者からの情報の収集・医療者からの情報提供不足を反省する共に、症状改善に向けたヒントをもらっています。
今回は、皆様と共に「洗う事」と「塗る事」を中心に、お肌の手入れ方法を見直す機会になればと考えています。
休憩 (ハンズオンセミナーの時間帯と、13:00までは、昼食用に1部屋開放いたします。昼食の持ち込みは可能です。企業展示もありますのでご覧ください。)
【世話人会からの報告】13:00~13:05
- 【一般演題】13:05~14:20
- 小児の鉄欠乏症
- おかだ小児科医院(滋賀県高島市) 岡田清春
- 小児の鉄欠乏症は臨床現場で重度の貧血以外、ほとんど注意をはらわれていない。今回、当院での採血結果を示し、鉄欠乏に関する文献的考察を述べる。
2014年1月から2016年12月まで当院で静脈採血し、フェリチンまで測定した0,1歳児のうち鉄剤内服中の児は除いた178人のHb値、赤血球項数、フェリチン値を検討した。
貧血とされるHb 11g/dl 以下が24.2% 、鉄欠乏とされるフェリチン12ng/ml以下が 28.0%。さらに貧血のない鉄欠乏(Hb11
g/dl以上かつフェリチン12ng/ml以下が15.2%であった。鉄欠乏は、成長発達面だけでなくメンタルに悪影響をおよぼすと成書にも記されている。鉄剤投与により憤怒痙攣が軽快したとの症例報告もある。
鉄欠乏を疑う例にフェリチンを含めた採血を施行し、鉄剤投与により症状の推移を多くの例で集積する必要があると考える。
- 小児科外来診療における臨床情報の可視化と高品質な情報収集による新しい臨床研究の形
- 森川 和彦1) 加藤 省吾2) 小笠原 尚久3) 三井 誠二3) 中野 孝介2) 河野 一樹4) 岡田 唯男5) 栗山 猛3) 矢作 尚久6,7)
- 1) 東京都立小児総合医療センター 臨床研究支援センター 2) 国立成育医療研究センター 臨床研究開発センター データ管理部 データ科学室 3)
国立成育医療研究センター 臨床研究開発センター 臨床研究推進部 臨床研究ネットワーク推進室 4) ナビタスクリニック川崎 5) 亀田ファミリークリニック館山
6) 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 7) 東京大学大学院工学系研究科品質・医療社会システム工学寄付講座
- 【背景】外来診療の際に得られる患者背景や臨床経過(臨床情報)は、臨床研究を実施していくうえで最も重要な情報である。しかし、多くの臨床情報は医師の暗黙知とされ、可視化されていないのが実態である。
【目的】臨床研究に直結する質の高い情報を、診療支援システムを活用することで診療業務を妨げることなく効率的に収集する環境整備について報告する。
【方法】電子カルテのネットワーク化と診療支援システムの導入により、電子カルテ情報を統合・管理し分析できる環境を構築した。
【結果】特定の症状を訴える患者から最適な情報を収集する仕組みとそれに連動する身体所見や医学的評価の記載を支援する機能を拡張した。
【結論】臨床の第一線における多忙な業務の効率化と質の高い臨床研究が世界へ発信される可能性が確認された。世界へ挑むオールジャパン体制に外来小児科医の協力は重要である。
- 診療所での継続的な患者アンケートの実施方法について
- 崎山小児科(東京都府中市) 崎山 弘
- 医療評価には、建物や設備、職員の数などの構造的評価、診療内容の検証を行う過程の評価、治癒率などの結果の評価がある。この結果の評価の一つに患者満足度調査がある。
崎山小児科では、匿名性確保のためにミニレターを使って第3者(郵便局の私書箱)あてに郵送で回収し、集計も外部に委託して結果を報告書の形で受け取る形で患者アンケートを実施した。有料ではあるが、手間がかからず迅速に継続的にアンケート結果をスタッフに還元できた。今回はアンケート結果そのものではなく、外部委託方式によるアンケート調査の有用性と限界について報告する。
- 長引く咳嗽で受診した例の百日咳毒素(以下PT)の検討
- さとう小児科医院(新潟市) 佐藤雅久
- 平成27年11月から29年3月までの17ヶ月間に長引く咳を主訴に受診した173例に百日咳PT値を測定したので報告する。
症例は0歳から13歳までが169例、16歳以上が4例、計173例であった。男84例、女89例。PT100以上で、百日咳が疑われた例は28例で10~12歳に多かったが、0~13歳の全年齢に認められた。PTが100未満の症例は145例で、その内10未満の例は、60例であった。PT10未満の例は、3歳より6歳で多い傾向であった。PTは、3歳以後は低下し、7歳以後に上昇する傾向が認められた。これは、ワクチン接種により得られた抗体が3歳以後に低下し、その後自然感染によって再び上昇すると思われた。百日咳は成人の間で流行していることが知られている。乳児への感染を防ぐためにも、学童期での5回目の接種を検討すべきではないかと思われた。
- ミックスパウダーを使った食物アレルギーの診療
- 星川小児クリニック(横浜市) 橋口可奈 山本 淳
- 2017年より当院では、西村龍夫先生(次の特別講演2の演者)が考案した、ごく少量の食物アレルゲン(卵白・牛乳・大豆・小麦・ピーナッツ・そば粉)に整腸剤を加えたミックスパウダーを使って食物アレルギーの診療を行っている。食物アレルギーの発症予防としてだけでなく、発症してしまった食物アレルギーの治療も試行しているが、その中でミックスパウダーがあって良かった、あれば良かったと思われる症例を呈示し、今後の、特に一般診療所レベルにおける食物アレルギー診療について考察する。
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- 【特別講演2】14:30~15:50 小児プライマリ・ケア医療の問題点とその未来
- にしむら小児科(大阪府) 西村龍夫先生
- プライマリ・ケアの小児科医の役割は何だろうか?小児科の診療所を受診すると、熱を下げる、咳や鼻を止めるために投薬が行われるのは普通のことであり、保護者もそれを期待している。しかし、そのような投薬にどの程度の意味があり、子どもの未来はそれで良くなっていくのだろうか?アレルギーの原因を知りたいから検査を希望で来られることも多い。保護者の希望通り検査を行い、卵や牛乳の除去を指示されることがある。こういった指導は保護者の生活や子どもたちのアレルギー予後にどう影響しているのだろうか?
小児科医の社会的な使命は「子どもたちの健やかな成長と発達をサポートする」ことにある。目の前の症状にとらわれることなく、子どもの未来に向けた視点が必要である。さらに、子どもは家庭で養育される存在であることを忘れてはならない。保護者の不安感を取り、生活を支えるサポートを行い、子育てを支援していく姿勢が必要だろう。こういった意識を持つことで、小児科医の存在意義は増し、社会的地位が向上することにつながるのである。いま、プライマリ・ケアの小児科医に必要なのは意識改革である。
【企業展示1】ニチレイバイオサイエンス
- 今回、上気道感染症の迅速診断キット4製品の展示をさせていただきます、ニチレイバイオサイエンスと申します。
特に、これからシーズンを迎えるインフルエンザの検出キットは、「陽性判定は1分から、陰性は5分」と短時間で検出でき、
有効期間は製造後30ケ月と2シーズンに渡ってご使用いただける製品を用意しております。
当日は、是非とも、弊社ブースにお立ち寄り頂き、お気軽にスタッフにお声掛けください。
みなさまのご来場をお待ちいたしております。
○取扱製品
• インフルエンザウイルスキット 『イムノファイン FLU』
• A群ベータ溶血連鎖球菌抗原キット 『イムノファインストレップA』
• RSウイルスキット 『イムノファイン RSV』
• アデノウイルスキット 『イムノファイン アデノ』
【企業展示2】ウェルチ・アレン・ジャパン
- この度、ウェルチ・アレン・ジャパン㈱では、皆さまの日頃の診療にお役に立てる製品を展示・デモをさせて頂きます。
・携帯型ビジョンスクリーナー『スポット ビジョンスクリーナー』
・耳鏡 『マクロビュー』『デジタルマクロビュー』
・他 各種診断機器
特に、ご好評いただいておりますスポット ビジョンスクリーナーは、6ヶ月以上の乳幼児の視覚異常をわずか数秒かつ簡便に判定可能の為、多くの小児科のご施設で導入頂いております。
当日は実演をさせて頂きますので、ご興味がございましたら、是非、弊社展示ブースにお立ち寄り頂けますよう、宜しく願いいたします。
連絡先 : 東日本外来小児科学研究会事務局 星川小児クリニック 山本淳
メールでお願いします。hoshikawa@h05.itscom.net