起立性調節障害の診療について
起立性調節障害という病名はお聞きになったことがあると思います。夜遅くまで起きていてゲームをして、朝はなかなか起きてこない・・・となるとただの怠け者、と、思われているかもしれませんが、そんな症状が実は起立性調節障害かもしれません。小学校高学年~中学生ぐらいになると、とても多いのです。
朝起きれないから当然遅刻や欠席をするようになり、そういう日が増えれば、気持ちの面でも行きにくくなるのは当然ですから、不登校になるきっかけにもなります。もちろん不登校の原因はさまざまですが、不登校のきっかけをたどっていくと、起立性調節障害という、自律神経、循環器系のちょっとした病気にたどり着くこともあります。医療とは関係ないと思わずに一度相談にいらっしゃいませんか?
新起立試験
起立試験というのは、ベッドに横になった状態から急に起き上がったときの血圧の変化を調べる検査です。試験は通常午前中(水曜・金曜)(朝食から2時間以上はたっている空腹時)に行います。静かな部屋で10分ほど横になってもらい、スタッフの指示で急に起き上がります。血圧が回復するまでの時間(秒)を測ります。
起立性調節障害には病型がいくつかありますが、典型的で多いのは、起立直後性低血圧です。この病型であれば、当院での薬物コントロールが可能なことが多いです。
生活習慣を整えましょう
生活のリズムをできるだけ整え、適度に運動も取り入れ、食事の塩分、水分を十分にとり、朝の起床時にゆっくりと血圧低下を起こさないように起きる(起こす)など、そこがポイントなのかと思われることがいくつかあります。何回か通院していただく中で、できそうなことを無理なく取り入れていきましょう。
薬物療法
典型的な起立直後性低血圧であれば、塩酸ミドトリン(メトリジン)が使われることが多いです。ゆっくりと効いてくる薬で、その効果を確かめながら、その病態が本当に起立性調節障害の起立直後性低血圧といって良いのかどうかも確かめていきます。(治療的診断)
逆に言えば、一番損なのは、せっかく副作用の少ないこのような薬があるのに、使わずに不登校になったり、怠けている思われ続けてしまうことです。
当院の受診について
予診フォームに事前に入力して状況をお伝えください。
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入力していただいた内容を読ませていただいて、当院としても比較的余裕のある日、時間帯を提案させていただきます。
実際にお話を伺ってみると、起立性調節障害というよりも、別の病態を疑わなくてはならない場合もあります。必ず起立性調節障害の検査をするということではないこともご了解ください。
2回目以降の診察時間について
2回目以降の診察は、医師の担当時間は10分以内を目安にさせていただきます。特別なことでお時間が必要なこともありますが、その場合は途中で中断させていただき、お待ちの患者さんを先に診察させていただきますが、ご了承ください。なお、いつものように、予診および必要に応じた診察後のフォローは看護師が担当いたしますのでご安心ください。
おすすめリンク
以下のリンクはとても参考になりますので、起立性調節障害でお悩みの方はぜひご一読をおすすめします。