男子向け・HPV予防ワクチンについて

子宮頸がん予防ワクチンではなく、HPV感染予防ワクチン

子宮頸がん予防ワクチンが男子にもすすめられるという話は最近はよく聞きます。すでに接種費用を助成する自治体もでてきました。
これは単純に相手の女性のためなのでしょうか?確かにそういう面もあります。しかし、男性自身も、HPVに感染することで、咽頭がん、肛門がんや、性感染症である尖圭コンジローマなどを引き起こしますので、男性個人にとっても癌予防という意味でメリットのあるワクチンです。
WHOによると、男性にも定期接種が行われている国は39か国に上っていて、イギリスやオーストラリアでは男女ともに接種率が70%を超えているということです。
そう考えると、子宮頸がん予防ワクチンという呼び方は誤解を招きますね。このページではHPV感染予防ワクチンと説明していきます。

4価ワクチンと9価ワクチンの違い

女子向けのワクチンとしては、2023年4月より、シルガード9(9価ワクチン)が導入されました。ただ、日本では男性にはシルガード9の使用は認められません。(危険性があるということではなく制度上の問題)

上記の画像が見にくいときは画像をクリックしてください。

4価ワクチン(ガーダシル)はHPVウイルスのうち4種類の、9価ワクチン(シルガード9)は9種類の型に有効です。なお、6型、8型は低リスク型なので、子宮頚がんの原因というよりも、尖圭コンジローマの原因となります。
少し詳しい図表になりますが、ここをクリックすると、「日本人における子宮頚がんの原因ウイルスの型分布」がご覧になれます。
それをみるとわかりますが、4価のワクチンは、65.4%の、9価のワクチンは88.2%の子宮頚がんの原因ウイルスに有効ということがわかります。
つまり当たり前のことですが、9価ワクチンのほうが、そのくらい守備範囲が広いのです。
それだったら、男子もみな9価にすればいいじゃないか・・・と、思われるかもしれませんが、そこがスムーズにいかないのはいかにも日本らしいところです。
ただ、男性のかかる癌についていえば、4価ワクチンでもかなり有効で、価格差を考えるとかなりコストパフォーマンスが良いともいえます。

接種スケジュール

上記のように、男性でも女性でも、これから接種するとして、コストのことは度外視してどちらかを選ぶなら、9価ワクチンですが、日本の男性は9価を選ぶことができないので、接種するとしたら4価ワクチンですが、接種スケジュールが違います。

上記の画像が見にくいときは画像をクリックしてください。

4価ワクチンは、添付文書通りに接種するのであれば、初回、2ヶ月後、6ヶ月後の3回接種になります。
しかし、9価のワクチンで、初回と6~12ヶ月後の2回でも良いと書かれていますが、実は4価ワクチンでも、同様な報告があります。関心のある方はこちらのページ(過去に作ったものです)をクリックしてください。14歳以下の女子を対象とした検討ではありますが、4価ワクチン(ガーダシル)でも、6ヶ月以上あけて2回接種を受けると3回接種と同等の効果があるということが示されています。
また、諸外国では1回接種法も検討されています。1回接種法でも3回接種と効果がかわらないという報告もあります。(こちらこちら
公の機関のホームページでは、添付文書に添った案内しかできないので、男性でも3回接種と書かざるをえませんが、高額のワクチンですし、とりあえず、星川小児クリニックとしての現実的なリコメンデーションをお示ししますと・・・
  • 6ヶ月以上あけて4価ワクチン(ガーダシル)を2回接種すれば十分ではないか
  • 1回だけ接種してもかなりの効果が期待できるのではないか
  • 1回だけ接種しておき、近い将来横浜市でも男子に助成がでるよになったら(あまり期待はできない)、もう1回か2回すれば良いのではないか
ということかなと思います。

4価ワクチンの接種料金と予約

1回あたり15700円(2023.12.1現在の料金)
在庫確認が必要ですので、あらかじめお電話ください。通常は在庫はありません。お申し込みお支払いいただいてから発注します。キャンセルができませんのでご了承ください。