予約制について

(予約制がご不安な方に安心していただくために、少し長文ですが、ご関心のある方はお読みください)

▲画像は予約画面のイメージです。

最近は少なくなったように思いますが、以前は「星川小児クリニックは予約制なので不安・・・」という声をお聞きすることがありました。
当院の予約制は1990年代半ばに導入しましたが、そのころは予約制(完全予約制という意味ではなく予約優先制という意味)の小児科なんてほとんど無く、ご理解をいただくのが大変でした。「小児科で予約制なんて無理だよ」という大先輩の忠告もありました。
プッシュホン式の電話はかなり普及していましたが、まだダイヤル式(回す)が残っていた時代です。ピーポーパーという音を機械が認識して予約時間を判断し、認識していたものです。家庭で使えるインターネットなどありませんので、電話回線だけが頼りです。コンピューターに最初は1回線、すぐに増設しましたが2回線がせいいっぱい(2回線分の仕事を同時にするということが画期的)という能力でした。
それでも2時間、3時間待ちが半分に減れば大成功ということで、導入しました。その当時は、予約時間は「来院指定時刻」であり、「診察開始を約束しているわけではない」ということをPRし、待ち時間を減らすことが目的なのだということを理解していただくように努力しました。最初はコンピューターそのものの能力が今よりも数段劣っていた(すでに今の機種は4代目)ので、曜日による細かい設定などが難しいなどの問題はありましたが、時刻を指定するという方法はそのころも今も変わりません。

導入後、予想どおり待ち時間が減り、多くの患者さんにとても喜んでいただくことができました。やむを得ず予約外で来られた方にとっても待ち時間は短くなりました。 しかし、これも予想どおりですが、「小児科で予約制をするなんて!」「予約といいながら待たせるとは何事だ!」というような方もおいでになりました。
おそらく予約制の導入により、患者さんは一時的に減少したと思われます。
ただ、徐々に、予約制のメリットも理解していただけるようになったのか、あるいは予約制に抵抗感のある方が当院から去っていかれたのか、当院の予約制は地域に浸透していきました。
しかし、すでに当時のことをご存じの患者さんはほとんどいません。
ですので、待ち時間が「仮に予約制でなかったら」という状態と比較して、短いのだから勘弁してほしい・・・というような言い訳も効かなくなってきたように思います。

最近は予約制の小児科も増え、「小児科で予約制なんて無理」などという言葉はまず聞かれなくなりました。ただ、はじめてお子さんを育てられる親御さんにとってみれば、予約がとれないと診てもらえないんじゃないか(そんなことはないのですが)・・・という、漠然とした不安、星川小児クリニックのハードルが高いというイメージにつながるのかもしれません。
そのような不安は、通院していただいているうちに、特に、医師やナースとの会話の中で、すぐに解消されていくと思いますが・・・
なぜかというと、小児科に来る患者さんの病気は多くは「急ぎ」ではないからなのです。(でも急ぎのこともあるのがポイントですね)
でも、急な発熱、急な嘔吐、喘息発作など、いかにも「急ぎ」であるようなイメージがつきまといますね。
しかし、初期にどう判断し、どう対応していくかを僕らはできるだけ早く「お教え」したいと思います。「教える」などというと、生意気な表現ですが、学校の先生なんかとは違いますからね(笑)。そうですねぇ・・・テニススクールのコーチとかぐらいに思ってください。
例えば、「初心者コース」、「熱がでたらまずどう考えたらいいか」をお教えするのは、何も熱が出たときじゃなくてもOK。もちろん実際に熱が出たときにお話しすると、リアルで良くわかっていいですが・・・(次に熱が出たときに役立ちますよね)
こうやって「良くあるパターン」をお話ししていくと、そう何種類もあるわけじゃない・・・つまり、発病初期はおうちで結構様子をみることができるようになります。そうしておちついて「いつ頃受診したらいいか(急いだ方がいいかどうかも含めて)」を考えるわけです。(もちろん徐々に慣れていくということですが)

当院の一般診療の予約は「前日から」ですので、少なくとも前日のお昼ごろまでなら翌日の予約は比較的自由にとれると思います。ですから、多分、実際に当院を使っていただければ実感していただけると思うのですが、初期のホームケアを僕らやナースからいろいろとお話ししますので、「小児科の予約制のメリット」を安心して味わっていただけると思っています。ぜひ安心しておいでください。