RSウイルスワクチン(妊婦)

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は、どの年齢でも感染する呼吸器感染症ですが、2歳までに必ず罹患すると言われています。しかし、新生児や低月齢の乳児が感染すると、喘息のような症状になり、重症になることが多い病気です。
ありふれた感染症ですが、赤ちゃんにとっては、新型コロナウイルス感染症よりもリスクが大きい病気です。

2024年夏から接種可能になったワクチン

日本小児科学会からのアナウンスは、ここをクリック(pdf)してください。(2024年2月17日)

日本周産期・新生児医学会
からは、以下のように会員向けのアナウンス(pdf)が7月1日付で発表されています。

  • RSウイルス母子免疫ワクチンである組換えRS ウイルスワクチン(販売名:アブリスボ)が、「妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防」を適応として、日本でも製造販売承認を取得し先⽇から販売が開始されています。日本周産期・新生児医学会はRSウイルス感染症、ならびにRSウイルスワクチン等による予防戦略について、母体ならびに新生児・乳児・幼児の健康を守る医療従事者が協働し、理解と実践が進むことを期待します。

アブリスボは、妊娠後期(28週~36週がよい)に妊婦さんに接種することで、母体で作られたRSウイルスに対する抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行するのを期待するというワクチンです。ちょうど、三種混合ワクチンを妊娠後期に接種するのと同じような仕組みです。
これにより、赤ちゃんは生後数か月間、RSウイルスに対する免疫(生後6ヶ月以内の発症予防効果は50%、重症予防効果は80%)が得られるということです。

接種スケジュール

妊娠24週(28週以降が推奨されています)~36週に1回接種します。
また、注射をしてから抗体産生まで2週間ほどかかるので、出産までの期間がある程度確保できる週数という意味で、36週までとしています。
なお、他のワクチン(例:三種混合ワクチン、インフルエンザワクチンなど)との同時接種も可能ですが、妊娠中に接種することができないワクチンは除きます。

副作用

アブリスボの副作用として、以下のような症状が報告されています。
  • ショック、アナフィラキシー
  • 注射部位の痛み
  • 頭痛
  • 筋肉痛
上記副反応は他のワクチンにもしばしばみられるもので、数日以内に消失することが一般的です 。

それ以外におそらく皆さんが気になることへの回答になりますが
  • 早産のリスクの報告はありません。
  • 新生児奇形のリスクは、注射を受けた群と、受けていない群で、有意差がありません。(リスクはないと考えられます)

料金

29500円(税込)

予約・申し込み方法

このワクチンは常備していませんので、受付に先に料金をお支払いいただいた後に発注します。発注が間に合えば、医療問屋の翌営業日に入荷する予定です。入荷後に患者さんに連絡して来院していただくことになります。なお、恐縮ですがワクチンは使用しなくても返品ができませんのでキャンセル(患者さんへの返金)ができません。くれぐれもその点をご理解の上、お申し込みください。
なお、来院してのお支払いではなく、銀行振込をご希望の方は、当院に電話で相談された後ここをクリックしてフォームに入力してお手続きください。銀行の入金確認はこちらからリモートでできますが、毎日銀行に確認してはいないので、振込が完了したら再びお電話をお願いします。銀行振込の場合、領収書をご希望の方は接種日にご請求ください。
出産が早まることもありますから、余裕をもって計画をたててください

三種混合ワクチンも一緒にしますか?

詳しいご案内はこちらにありますが、百日咳の予防(赤ちゃんが五種混合を受けるまでが心配!)も、妊娠28週~36週の妊婦さんが三種混合ワクチンを接種をすることで有効です。RSウイルス予防のワクチンと同時に接種することもできます。
三種混合ワクチンはクリニックに通常常備しています(比較的廉価です)ので、当日お申し出いただき、当日お支払いになります。