乳児期のワクチンおすすめプラン

生後2ヶ月になったらワクチンデビュー・・・と言われていましたが

乳児のワクチンは生後2ヶ月になったらすぐにスタート・・・と言われてきていましたが、実は、2020年10月からはそうでもないんです。
もちろん、日本小児科学会が推奨するスケジュールや、VPDの会が推奨する予防接種パターンの表も参考にして良いと思いますが、「もっと早く接種したほうが良いワクチンがあるならしたいな」「いっぺんに4本の注射よりも、2本ずつでいいから、遅れずにコツコツやりたいな」「医師やナースからゆっくり説明も聞きたいな」なんていうご希望はないでしょうか。
いろいろなお話しをしていくと、何種類もの接種プランが考えられます。ご希望があれば、ぜひクリニックでお話しもしたいと思います(事前にそのご希望を伝えていただければナースがさらにわかりやすくご説明する準備してお待ちしたいと思います)が、このページでもご案内していきたいと思います。
そして今回、定期接種の仲間入りをする(2020年8月以降生まれの方が対象)のは、ロタウイルスワクチンです。そのページも是非ご覧ください。

ロタウイルスワクチンは、生後6週間になると接種できる

ロタウイルスワクチンは以前から生後6週間になれば接種できるし、本当はできるだけ早く接種したほうが副作用を回避するためにも良いことはわかっていました。
以前はなぜ2ヶ月から・・・とPRされていたかというと、生後6週間でロタウイルスワクチンを接種すると、接種してから4週間、他のワクチンが接種できなくなるため、生後2ヶ月になったらすぐに接種したい肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの接種が2週間ほど遅れてしまうというのが唯一の理由です。
しかし、このロタウイルスの後4週間、他のワクチンを接種できないというルールは日本だけのローカルルールで、医学的な意味はありません。
そのため、今回の改正で、その意味のない縛りが廃止されました。
だったら、生後6週間のときに、とりあえず「痛くない美味しいワクチン」のロタウイルスワクチンをゆっくり飲みながら、その後の予防接種プランのご説明やクリニックのご案内をさせていただくというのは、ある意味とっても良いプランではないかと思います。そのいくつかを「図」でご紹介しますが、このページの分量が多くなりすぎるのを避けるため、図(画像)にリンクするようになっています。
  1. 生後6週間でロタウイルスワクチンだけを接種し、その後は注射は1つか2つずつしていくパターン
  2. 生後6週間でロタウイルスワクチンだけを接種し、その後は注射は生後2ヶ月で2つ、生後3ヶ月過ぎたら3つまでは注射を受けていくパターン
  3. 生後6週間でロタウイルスワクチンだけを接種し、その後は注射は生後2ヶ月で2つ、生後3ヶ月過ぎたら4つまでは注射を受けていくパターン

B型肝炎も生後6週で接種することもできる

実は、B型肝炎ワクチンも、早期に接種できます。日本でも予防接種法によれば、本当は接種でき、世界の多くの国で生後0ヶ月から接種するのが普通になっています。
そのことを理解した上で、せっかくロタウイルスワクチンを生後6週間でするならば、そのときにB型肝炎ワクチンもはじめようという方は、次のプランも参考にしてください。
  1. 生後6週間でロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンを接種し、その後は注射は1つか2つずつしていくパターン
  2. 生後6週間でロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンを接種し、その後は注射は生後2ヶ月で2つ、生後3ヶ月過ぎたら3つまでは注射を受けていくパターン
  3. 生後6週間でロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンを接種し、その後は注射は生後2ヶ月で2つ、生後3ヶ月過ぎたら4つまでは注射を受けていくパターン

生後2ヶ月から開始するプラン

2020.9月までとほぼ同じことになりますが、生後2ヶ月を赤ちゃんのワクチンデビューとすることもできます。
おそらく、日本小児科学会やVPDの会のプランは、できるだけ「単純化」して、「接種間違いを防ぐ」ことを目的に作られている面もあるので、生後2ヶ月からのプランで、やれるものはできるだけ同時にしてしまうというのが勧められるようです(以下の2番)。ただ、当院では、赤ちゃんの予防接種については、できるだけゆったりした時間、空間で行えるようにしたいと思いますので、あまり無理をせず少しぐらい来院回数が増えることが問題なければが、生後2ヶ月まで待って一気に・・・に無理にこだわることもないと思います。
  1. 生後2ヶ月から開始し、その後は注射は1つか2つずつしていくパターン
  2. 生後2ヶ月から開始し、その後は注射は生後2ヶ月で3つ、生後3ヶ月過ぎたら4つまでは注射を受けていくパターン

以上のプランを全部まとめたA4(2枚)pdfはこちらからご覧になれます。(ダウンロード印刷も可能)

いろいろなプランがありますが、ご家族に安心していただきながら、赤ちゃんの予防接種を、ゆったりとした気持ちで受けていただけるように、一生懸命サポートさせていただきます。
特に、最初のご来院のときなどに詳しい説明をお聞きになりたいときは、事前にお電話で来院時間などのご相談をいただけますと、準備もしやすいので、どうぞよろしくお願いいたします。